稽古前15分間は先ずは座ってみましょう!白隠禅師は五臓六腑の多くの病気が丹田呼吸(内観法などを用いた)を用いて治らなかったならば「老僧の頭を切り持ち去れ」と言うほどの強い信念を持っておられた。

「仙人還丹の秘訣」とは

酸素を多く含んだ血液を肺から心臓へ送り、更に其れを下腹部丹田の諸臓器に送り込むことである。還丹とは動脈血を丹田へ送ること、其れにより全ての内臓機能は活性化され、酸素量の多い
動脈血を諸臓器に送り込むことにより,それぞれの優れた働きが行われ快適な生活が行われる。長呼気丹田呼吸を努めて日常生活の中で実行し続けることは、徳行を積むことにも成るし,仙人のような素晴らしい生活も可能となる.そして自分の進むべき道も鮮明となり、そして成就するのである。その効果の現れ方の遅速は、修行者が積極的に努力するか否かによるのである。「夜船閑話」は白隠禅師が自らの失敗談を交えながら丹田呼吸の優れた治病効果と,更に其れにも増して、丹田呼吸が人間形成に大きな役割を演じていることを述べている。

天秤棒合氣2人捕り09321
天秤棒に合氣を掛けその棒から二人に合氣を伝え硬直させて投げています。
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動静二境の丹田呼吸

「動中の工夫は静中の工夫に勝ること百千億倍」静禅と動禅は修行の両輪なのだ。行脚(歩行禅)坐禅、作務、日常生活,合氣の稽古,これ全て活力禅と言えよう。座禅のような動きを伴わぬ場合は静の丹田呼吸である。其れが正しく行われているときは脳の血液循環が活発であるから、清冽な精神活動を可能にするのであり,座禅時にも正しい呼吸が必要である。心すべきは酸素を多く含んだ動脈血を脳細胞に向かって絶えず送り込むことであり、それに先立って静脈血を努めて多く送り還す事である。心臓から送り出される血液の約70%またはそれ以上が腹腔および下肢に配分される。これは静脈血となって心臓へ還らねばならぬ、ところが、これが重力の影響で下半身に停滞しがちである。停滞した血液が循環血液に加わらないと生命活動に役立つ血液量が少なくなり脳循環の減少にもつながる。浅く弱く力の入らぬ呼吸ばかりしていると優れた発想も湧かず睡魔に襲われるのは、このためである。

釈尊の呼吸法

「入る息は短く出る息は長く」出る息に心を込めて長くすれば入る息は労せずして同量の入息が跳ね返ってくる。まさにスプリング呼吸であった。短息とは瞬間的に力強く出す息で呼気量が多く、長息は出る息が比較的長めで静かな呼気であって、やはり一回の呼気量が多い。つまり心を込めた呼吸というものは長息、短息共に一回の呼気量が多いのが特徴である。長呼気丹田呼吸で素晴らしい発想が泉の如く大脳から湧き出てきたのであった。華厳、阿含、方等、般若、涅槃等数多くの仏典の幅広く、且つ膨大な発想の源泉は長呼気丹田呼吸に由来していると思われる。長呼気丹田呼吸法の素晴らしい効用と合氣の修行とは両輪なのだと認識して双方共々研究、錬磨してみましょう。

小指の搦みて背負い投げ、中段突き09321
小指の搦みて:上段打ち込みに依る対処したクルリンと回って背を向けて背負い投げのイメージで投げた。
中段突き:触れ即合氣の象徴的な技の一つがこの技になりました。
合氣の効用が如実に表現された技になります。
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2022年12月2日

いい氣 いい出会い いい仲間づくり
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合氣護身術大東流無傳塾
塾長・最高師範 飯田 宏雄