あれから(もう)10年、東日本大震災が経った。宮城県女川町の中学生たちが当時の悲惨さを語り部として石碑を建立した。その碑文は
千年後まで伝えるために
ただいまとお帰りなさいの聞こえる声
10年を区切りとせず消して事故を風化させることなく未来永劫語りつないでいきたい。改めて被災された方々のお見舞いと亡くなられた方々へ慎んでお悔やみを申し上げます。翻って飯田は大東流合氣柔術の伝承と普及について考えてみたい。
日本の武道武術は世界に冠たる無形文化財であると自負している。さりながらその一つである大東流合氣柔術は合氣道の源流でありながらその認知度は低く甘んじている。是を少しでも認知度アップするべく、SNSに頼るしかない。大東流合氣柔術は古流のジャンルに属し組織も小さく脆弱である。サッカー、野球等のスポーツとは異なりネットワーク性に欠けている。試合もないので,他会派と横の繋がりも薄い。当無傳塾ではそれを補完すべく他会派に呼びかけて,友好演武大会(公開)を毎年開催している。昨年はコロナ禍により無傳塾開塾20周年記念国際大会 第20回大東流無傳塾友好演武大会はやむなく中止になった。それを今年も再チャレンジを試みる。この斯界では手の内は見せないという秘密主義が横行している。この大会の狙いは技術向上と交流である。そして武道界の隆盛、発展のため切磋琢磨と沈黙の伝授の場でもある。大東流無傳塾(古流)は形による演武なので,スポーツの勝利至上主義に陥る弊害を除去出来るのが,古流にはその機能がある。徹底的に自分と向き合い、他人とは比較せず,只ひたすらひたすらに内面を掘り下げていくことに集中出来る。だから現代のストレス過多を解消してくれるという利点がある。古流の斯界に於いて,後継者選びの考え方は一子相伝がある。このシステムは現代では不具合であると飯田は考えていて、出来ることなら広く広く、多くの人数の中から選ばれた者が継ぐべきと考えている。だからといって、人数が多ければ良いとは思わない。(品質重視)無傳塾では制服組と背広組のシリビアンコントロールが効くシステムを考えている。
技術力の伝承は制服組に担って貰い組織運営は背広組に任せ,双方相まってコントロールされていく仕組みを考えている。このシステムであれば無傳塾の寿命が更に延命できるものと考えている。技術力(ハード)があることは大いに結構な事ではあるが、むしろ組織(ソフト)を束ねグイグイ力強く引っ張っていく人間力のある者が相応しいと思う。
(1)無傳塾の基本理念
「いい氣、いい出会い、いい人づくり」
よく稽古して心と技を磨き、いい合氣を創り出し、いい人との出会いを大切にし、世界の人たちと手をつなごう。
「いいものをながく」
本物の時代、21世紀を迎え、究極の合氣の技を目指し生涯修行を続けよう。
「この夢をかたちに」
そして、楽しい仲間づくりの輪を広げよう。
(2)「MADE IN 無傳塾」の確立
世界的な合氣ブランドをつくります。無傳塾から合氣を発信します。妥協することなく頂点を極めていく姿勢。これを塾風にします。
(3)無傳塾のルール
段位の維持向上に弛みはなし。オープンでいこうクローズはなし。和顔に勝る技はなし。塾生共々再認識し夢の実現に向けて邁進しましょう。
稽古三昧
座取:捕縛術御式内2096(78)
殿中、畳の上での捕縛術:たちませい!と押えられたときのもの。90キロ程の大男に手を押えられたら、もう観念するところ。無傳之合氣でもって瞬時に微動だにせず投げてしまう。これが御式内です。高級武士の殿中護身武芸の一つになります。飯田の師匠であって永世名人の堀川幸道は埃がたつドタバタして取り抑えるようなものであってはならない。それは格式高い術でなくてはならないというのが口伝であります。
MUDEN NO Aiki
2021年3月19日
いい氣 いい出会い いい仲間づくり
Good energy Good enccounters Good relationships
合氣護身術大東流無傳塾
塾長・最高師範 飯田 宏雄